1975年に公開された『ピクニック・アット・ハンギング・ロック』は、ミステリアスな雰囲気と美しい映像で知られるオーストラリアの名作です。この記事では、同様の不気味で詩的な世界観を持つ10本の映画やドラマを紹介します。謎めいたストーリーや幻想的な描写が好きな方にぴったりの作品を厳選しました。

Suspiria (1977)
説明: 鮮烈な色彩と幻惑的な映像美で包まれたホラー。女性たちの閉鎖的共同体と不可解な失踪事件を、非現実的な照明と不気味なサウンドデザインで描く。
事実: 使用された赤い色素は当時としては非常に高価で、特定のシーンのみに使用された。ダンサー役の多くは実際にプロのバレエダンサーが演じている。


The Secret Garden (1993)
説明: 自然の神秘的な力と少女の精神的成長を、詩的な映像美で表現。閉ざされた空間から広がる緑の世界が、現実と幻想の狭間のような雰囲気を醸し出す。
事実: 庭園シーンの撮影には実際に1年をかけ、季節の変化をリアルに捉えている。原作小説の舞台であるヨークシャーではなく、主にドーセットで撮影が行われた。


The Others (2001)
説明: 不気味な雰囲気と謎めいた失踪事件を扱い、現実と幻想の境界が曖昧になる心理的スリラー。自然の風景が重要な役割を果たし、時間の流れが歪んで感じられる点も特徴的。
事実: 撮影は全てスタジオで行われ、自然光のみを使用することで独特の陰影を作り出した。終戦直後の1945年が舞台だが、時代設定を明確に示す要素は意図的に排除されている。


The Village (2004)
説明: 隔絶されたコミュニティと不可解な禁忌を、抑制された色調と緊張感ある演出で描く。自然環境が心理的プレッシャーとして機能し、終盤に向かって現実認識が歪んでいく。
事実: 村のセットは完全に新築され、撮影後は解体された。赤い色を極力排除したカラーパレットが、視覚的なテーマとして一貫して用いられている。


The Neon Demon (2016)
説明: 美の追求が狂気へと変容する過程を、冷徹ながらも幻想的な視覚表現で描く。自然と対比的な人工的な美しさが、逆説的に恐怖の源泉となる。
事実: ファッションショーのシーンでは、実際のLAファッションウィークのデザイナーが衣装を提供。撮影には反射材を多用し、鏡像効果を意図的に追求した。


The Killing of a Sacred Deer (2017)
説明: 理不尽な運命と道徳的ジレンマをテーマに、不気味なまでに抑制された演出で緊張感を構築。日常に潜む不条理が、計算されたカメラワークと不協和音的な音楽で強調される。
事実: 医療器具の音や心拍モニターの音がサウンドトラックに組み込まれ、冷徹な医療現場の雰囲気を再現。ギリシャ神話の『イフィゲネイア』を現代風にアレンジした物語。


The Lighthouse (2019)
説明: 孤立した環境で起こる精神的崩壊を描き、現実と幻想が入り混じる不穏な世界観。白黒撮影と正方形の画面比率が、時代錯誤的な感覚と閉塞感を増幅させる。
事実: 俳優たちは撮影中、実際に灯台守として過ごした厳しい環境下で演技を行った。使用された灯台は新たに建設されたセットで、ノバスコシア州の沿岸をモデルにしている。
