1948年に公開された『異国の出来事』は、戦後のベルリンを舞台にしたロマンティック・コメディで、今も色あせない魅力を持っています。この記事では、同作の雰囲気やテーマに似た10本の映画やドラマを紹介します。恋愛、政治、ユーモアが織り交ぜられた作品がお好きな方にぴったりです。

The Maltese Falcon (1941)
説明: ハードボイルドな私立探偵が関わる複雑な詐欺事件。各キャラクターが独自の動機を持ち、終盤まで真実が明かされない巧妙な構成。
事実: ジョン・ヒューストンの監督デビュー作。マルタの鷹の像は全部で3体制作され、現在も現存している。


Double Indemnity (1944)
説明: 保険金殺人をめぐる致命的な恋と裏切り。ナレーション形式の構成と、光と影のコントラストが罪の意識を視覚化した古典的フィルムノワール。
事実: 当時の保険金詐欺事件を基にした実話要素あり。主要キャラクターが全員何らかの形で罪を犯すという型破りな設定。


The Big Sleep (1946)
説明: 複雑に絡み合った殺人事件を解き明かす私立探偵物語。難解なプロットよりもキャラクター同士の火花散るやり取りに重点が置かれている。
事実: 脚本執筆中に作者のレイモンド・チャンドラーですら犯人が分からなくなったという逸話あり。ボギーとバコールの実際の恋愛がスクリーンでも感じられる。


Gilda (1946)
説明: 南米を舞台にした情熱的な三角関係を描いた心理サスペンス。強烈な女性像と男性の嫉妬が絡み合い、セクシーで危険な雰囲気が全編を支配する。
事実: リタ・ヘイワースが『Put the Blame on Mame』を歌うシーンは映画史に残る名場面。衣装の黒いグローブがトレードマークとなった。


Notorious (1946)
説明: 戦後の不穏な雰囲気とスパイ活動を背景に、複雑な人間関係と愛憎が絡み合うサスペンス。洗練された会話と心理的な駆け引きが特徴的で、ロマンスと危険が交錯するストーリー展開。
事実: ヒッチコック監督作品で、当時としては珍しい長時間のキスシーンが話題となった。また、ウラン鉱石をめぐるプロットは冷戦初期の緊張を反映している。


The Postman Always Rings Twice (1946)
説明: 路地裏のダイナーを舞台にした情熱的で破滅的な不倫劇。衝動的な犯罪とその代償をリアルに描き、登場人物の心理描写が深い。
事実: ジェームズ・M・ケインの小説が原作で、当時としては過激な内容のため何度も映画化が難航した。ダイナーシーンは後のロードサイド文化に影響を与えた。


The Lady from Shanghai (1947)
説明: 運命に翻弄される男女の危険な恋を、歪んだ鏡像と不気味なサーカスをモチーフに描く。常識を超えたカメラワークと予測不能なプロットが特徴。
事実: 有名な鏡の迷路シーンは撮影に7日間を要した。アイルランド訛りのある主人公は当時としては異例の設定だった。


The Third Man (1949)
説明: 戦後の廃墟となったウィーンを舞台に、裏切りと陰謀が渦巻くノワール。傾斜したカメラワークと影の演出が不気味な雰囲気を醸し出し、道徳的曖昧さがテーマ。
事実: ジョセフ・コットンとオーソン・ウェルズが共演。劇中で使用されるツィターのテーマ曲は世界的に有名になった。


All About Eve (1950)
説明: ブロードウェイの舞台裏で繰り広げられる野心と裏切り劇。年配の女優と若い崇拝者の複雑な力関係を鋭い対話で描く。
事実: アカデミー賞で14ノミネートという記録を樹立(当時)。劇中劇形式のスマートな構成が後の多くの作品に影響を与えた。


Sunset Boulevard (1950)
説明: ハリウッドの栄光と没落を、狂気じみた元スターと若い脚本家の歪んだ関係を通して描く。ナレーション形式で語られる悲劇的な結末が印象的。
事実: 実際に廃墟となった豪邸を使用して撮影。ノーマ・デズモンドのキャラクターは複数の無声映画スターをモデルにしている。
